« ロジテック外付けHDD『LHD-EN20U3WNS』発表 | トップページ | 『機械人間 感覚の喪失』DVD »

『決死圏SOS宇宙船』DVD

 前回の『ザ・チャイルド』に引き続いてDVDを見ました。あれを買うときにせっかくだからともう一つ頼んだのです。いろいろあったんですが、この『決死圏SOS宇宙船』を選びました。理由は、幻の映画だから。あの『サンダーバード』や『謎の円盤UFO』を製作したジェリー・アンダーソンが作った、唯一の実写SF映画なのです。もちろんお家芸なミニチュアセットや近未来の車などがばんばん出てきます。1969年の米公開映画ですが日本では未公開で、1972年にTV「日曜洋画劇場」で本邦初公開されました。そのあとは何度か放送されたそうですけど、私は一度も見た事なかったんですよね。

 制作配給は米のユニバーサル。撮影はなぜかポルトガルとイギリス。英はお膝元なので特撮撮ったんでしょうが、なぜにロケがポルトガル。実は劇中のユーロセク本部もポルトガルにあるという設定で、看板にも名が入ってます。実際にポルトガルらしい映像は、宇宙飛行士の訓練で遠くへパラシュート落下、そのあと歩いて基地に戻るというやつでの途中かな。途中面倒だからって、地元農民の荷馬車に乗せてもらうシーンが。なんの意味あるのかと(笑)

 DVDはデジタルニューマスターによる本編と、おまけとしてオリジナル劇場予告編(二種類)やノンクレジットのOPとEDなど。音声は英語以外にTV放映時の日本語吹き替えも入ってます。主人公ロス大佐の声はなんと露口茂。相棒のケーン博士は家弓家正。他の人も今となっては豪勢な顔ぶれです。まあTVでカットされてた部分では、当然英語に変わりますけど。
 付録として『The maiking of the JOURNEY TO THE FAR SIDE OF THE SUN』という名の15Pのブックレットが入ってます。『JOURNEY~』は原題。裏話他も書かれてますが、これによれば主人公ロス大佐役のロイ・シネスは当時日本でも放映して人気のあった米SFドラマ『インベーダー』の主役を務めていて、その流れで同じく声をあてていた露口茂が選ばれたそうな。ちなみに米ではあまり人気がでず一年少々で終わってしまった『インベーダー』ですが、シビアな作りからカルトなファンもいたそうだし、日本では当時大人気だったとあります。企画制作が『逃亡者』を手がけたクィン・マーチンと映画監督のラリー・コーエンだったそうで。私は見た覚えありませんが、面白そうですね。

 さて、音楽はアンダーソン作品ではおなじみのバリー・グレイ。冒頭の曲の出だしは『キャプテンスカーレット』の主題歌の出だしとそっくりでした(笑)。中の曲も壮大な曲もあるし、勇壮なところもあっていかにも。当時のサスペンスドラマだと場面きり替えでよくこういうのかかったなあという感じです。

 粗筋。
 欧州宇宙探査局「ユーロセク」では、無人の太陽探査船により、太陽の反対側に新しい太陽系の惑星を発見していた。野心的なウェブ局長は、有人宇宙飛行による探査を計画していた。出資を渋るNASAをはじめとする同盟国代表達だったが、東側のスパイが情報を流していたことで、先を越されまいと結局出資金は集まる。NASAは大金を用意する条件として米の宇宙飛行士を乗せる事を要求し、グレン・ロス大佐を送ってくる。ウェブ局長はもう一人のパイロットに宇宙物理学者のジョン・ケーン博士を選ぶ。ケーン博士の厳しい訓練を経て、二人の乗るロケットは無事に打ち上がり、片道三週間の旅を経て太陽の向こう側へと到着する。コールドスリープから目覚めた二人は、着陸船で目的の惑星に降下するが、嵐にあい、荒野へと墜落してしまう。着陸船が爆発する寸前、なんとか逃げ出したロス大佐たちだったが、そこで驚愕の事象を目にする……なんとそこは地球だったのだ。


 まあ謎としてはひねった話ではあるものの、今となっては似たような話は他にも知られてるので大体推理できるでしょう。一応謎はオチ前で解明され、最後は脱出になるわけですが……一応ネタバレとして続きで。

 まあパッケージの粗筋からしてネタは明らかなんですが、ようは太陽を挟んで向こう側にもう一つの地球があり、そこにも自分と同じ存在、同じ国、同じ人々がいて、ちょうど同じことを考え実行してたというわけ。これは他のSFでもよく聞くネタですね(今ではですが)。片道三週間で行ったその先で着陸したのはもう一つの地球であり、もう一人の自分と入れ違いになったため、途中で引き返したと誤解されたと。なぜわかったかといえば、文字や家具の配置などすべてのものが左右入れ違いになってたから。途中でようやく局長に信じてもらえて、新たな着陸船を作り、上空の宇宙船に戻ろうとしますが……。で最後にオチらしくもないオチがついて終わり。

 映画の見どころとしては、やはりメカでしょうか。宇宙船はかなりリアルですし、合成も一部除いてそれほど悪くはなかったです。大佐の車とかもスティングレイみたいでカッコイイし。一台は塗り替えられて『謎の円盤UFO』のストレイカーの車になったそうな。大佐が乗ってきた旅客機もいかにもアンダーソンなデザインで、着陸後妙なトレーラーがくっついたあと機種が輸送機みたいに開いてどうなるかと思ったら、なんじゃこりゃあですよ。なんというシステマチックな飛行機か。サンダーバードでもこんなの出てたっけか。
 あとはやはり音楽かな。勇壮なところはいかにも昔のSFドラマなんですが、悲壮なところの音楽とかもいい感じです。

 DVDの出来としては、古い映画のわりにリマスターが効いてるのかかなり綺麗です。音声も割れても無いし。ブックレットもよくできてます。ちなみにブックレット、裏表紙の写真とデザインが表紙の反転になってるのですが、もちろん文字までもが反転してます。反地球のネタにひっかけてるわけですね。

 しかし予告編は酷かった(笑)。作りはいかにも古いSF映画向けのものなんですが、ネタバレしまくってる感じで、謎も何もないです。このシナリオっていかにもなSF冒険物ではないし、あくまでSFの一ネタと映像的な面白みしかないんですよね。なのに「なぜ地球に帰ってきた」とか尋問はともかく、「逆さまの文字」とか見せちゃまずいのでは。もっとも、当時としてはもっと珍しいネタだったかもしれないので、一概に駄目とも言えませんが。

 ちなみに予告編で一番笑ったのは、あるところでナレーションが「宇宙飛行士が直面する残酷な現実」と来て映像は劇中で妻が大佐をなじるシーン。「放射能を浴びたせいで子供ができないのよ」。おいおい、当時としてはまずかないかそれ。ちなみに本編ではとうから夫婦仲は悪くなってて、このシーンでは大佐が「子供ができないのは避妊薬のせいだろ!」と妻が隠してたであろう避妊薬を手にとって怒鳴り返します。
 あと、ラストのタイトルが出る前によく聞く言葉が出てきます。

 ...Not the end...          終わりではなく…
 ...just the beginning!     …これは始まり

 いやいや、なにが始まるのかと。本編ラストで結局この事件は終わってるんですけどね。次にこの反地球を発見するには、さらに向こうへと探査を延ばさないと無理だし。まあ今の技術でしたら、無人探査船にいい望遠カメラ積んであっちの軌道上まで持っていけばそれで普通に見られますけど。

 ともあれ、内容と価格からするとかつてビデオテープ時代にセルで買う気概がないと買えませんが、面白くなかったわけではありません。SFドラマとしては佳作ですが、レンタルにあったらぜひ一度は見てほしいところです。……レンタルっていってもDVDはこれ以外出てないでしょうからあるとしたらビデオでしょうけど。

|

« ロジテック外付けHDD『LHD-EN20U3WNS』発表 | トップページ | 『機械人間 感覚の喪失』DVD »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『決死圏SOS宇宙船』DVD:

« ロジテック外付けHDD『LHD-EN20U3WNS』発表 | トップページ | 『機械人間 感覚の喪失』DVD »