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CoolerMaster “Silencio 650” その二。

 “Silencio 650”レビュー、第二部です。

 とにかく静かなケースですが、ファンの音は完全には消せません。ただ完全無音にしたいひとは、逆にこういうケースはやめたほうがいいでしょう。あくまでケースファンで内部の風の流れを作らないといけないケースです。ファンレスで構成するなら逆に天版とかサイドパネルに穴が開いてて、自然に排気しやすいケースでないと熱がこもるでしょうし。マザーボードの後部を上に向けて立てる倒立型ってケースだと、自然に排気されやすいとも聞きます。

 あと簡易水冷クーラーとか最近はずいぶん安くなってるようで、Sycomにも水冷クーラー仕様のBTOがありました。ただこのケースの場合は天版の隙間とか少し狭いので、あまり大きなラジエーターやファン付きの水冷クーラーは付けづらいようですので、要確認。

 では、前回の続きを。

 まずは外側。また前面からもう一度になりますが。

 前面ドアはアルミ製で、厚みもあってそこそこ重いです。前ワクはプラでサイドは鉄ですが、どれも若干梨子地の艶消しブラックで統一感はしっかりして重圧感もあってシブいですね。
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 ドアの内側に吸音シートが貼られてるのは先に書いた通りですが、厚みは約4mm。磁石は若干厚く5mm程度です。ただこの磁石がですね、薄いゴムシート?が貼られてるけども、閉まるたびにバッタンと音がします。ドアが重いうえに磁力が強すぎるので、閉まる直前に急速に閉じて裏に響いてるんでしょう(ベイの周りはプラですし)。磁石の当たるところかその周りに衝撃吸収クッションなど付けた方がいいかな。

 ドアの欠点としてはそのほかに、把手がないこと。両端が盛り上がり真ん中は内にへこんだデザインで、盛り上がった端っこと本体の隙間から爪をドアに引っかけて開けるんですが、これ米人など手の大きな外人さんはどうしてるんだろう。ドアとフレームの隙間は8mmしかありません。指がさっと隙間に入らないため、ゆっくり静かにドアを閉めるというのはかなり難しい。普通にドアの縁かワクに凹みとか作ってくれてたら楽だったんですけど、デザイン優先で考えなかったのか……安いケースのほうが開けやすいってのはどうかと思います。両サイドに付け替えられるなら、両サイドにシンメトリックな凹み付ければよかったのに。

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 デザイン上隅っこが一番広いわけで、そこに親指の爪を差し込みドアの角をひっかけて開けるか、隙間に無理やり指を突っ込んで横向きに押しながら(指の腹がへこんで少し入る)開くかですが、爪は削れるし短いとだめだろうし指も痛いです。この点では女性にはお薦めできないケースですね。もう2mm、隙間が大きければなぁ。

 あ、ドアは標準で左に軸のある左開きですが、開いてから上げると外れます。外したあと軸を付け替えれば(上の写真の磁石の上にある丸いゴムを外して軸を付ける)、右軸の右開きに変更可能。環境によって、PCの位置に左右されず開きやすい向きにできます。


 サイドパネルは背面の上下に二つの手回しできるローレットネジで固定されてます。裏のPCIe等のスロットカバーも同じローレットネジで固定されてます。使い回せるので、無くしても安心ですね。
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 ローレットネジを外して少し後ろにスライドさせると、サイドパネルは簡単に外れます。下にレールのようなものはなく、ストンと落ちるので注意。FLORA 440は下がレール状になってたのですぐには落ちなかったし、店のTWOTOPのケースはネジを外して上のレバーを引くと手前に開くよう、下がヒンジ状になってたので落とすこともなかったなぁ(開いてから上に引き抜く)。

 サイドパネル内側には吸音シートが貼られています。本体右側、マザーボード表側のサイドパネルには波のような表面の厚みのあるもの、左側には前面ドアと同様の平たいものが貼られています。これは、マザー正面のほうが音源が多く裏側にはマザーを固定する板があるため音源が無いのと、マザー裏はケーブルを裏配線したりもするため、厚みの少ない平面状のものにしたのではないかと。ただそれでも裏面配線は狭くてやりづらいです。
 吸音シートは、もう一つ天板裏にも波形の小さいものが貼られてます。前後は基板やら排気口があるので、真ん中の上だけですけどね。

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 内部は、電源を底面に配置、マザーは上に浮く感じになってます。電源の下にはメッシュの吸気口になっていて、電源のファン側を下にして設置すれば、外から吸気して背面に排気というサイクルになり、電源を効率的に冷やしつつ内部に熱した空気を送らないようになってます。以前のFLORA 440のように昔の電源が上にあるPCでは、内部の空気を電源のファンで吸って裏に排気するようになってました。あちらは電源の前に吸気口があり、そこにプラスチックの逆L字型の煙突状カバーを付けるとちょうどメモリの上にかぶさるようになっていて、メモリを冷やす流れを作ってました。ただ当時の電源は後ろ側に排気ファンがあり、今の電源は底に排気ファンがあります。底にファンのある電源だと、上部に付けてもメモリの位置にカバーをして吸うというわけにもいかず(底だとCPUクーラーと干渉する)、狭いCPU周りの空気を背面ケースファンと取り合う形になってエアフローを阻害するんでしょうか。今の電源だとケース底面に置いて温かい気流を内部に入れない方が、効率的に冷やせるということなんでしょうかね。

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 底面の裏には吸気口に合わせたフィルターがあって、後ろ側に引き出せるようになってますので、掃除も楽です(PC置く際に、背部にスペース作っておかないといけませんが)。写真が引き抜いたフィルター。把手から端までほぼ30cmあります。電源部の前にも吸気口があり、そこにファンを付けることもできますが(奥行きの長い電源だと、干渉してファンは付けられないかも)、このフィルターはそこまで覆ってるのでファンを付けても安心。ただし、それほど目は細かくないので、粉塵のようなものは取れません。うちみたいにカーペットの上にPCをそのまま置く場合には、ホコリが入りやすいので困ります。ここはできればエアコンの外に着けるようなフィルターを重ねたほうがよいでしょう。ケースの底には四隅の少し内側ににゴム足が作られていますが、円ではなくサイドや端を覆うようなつくりになっていて、底の吸気口は前面と背面側の床から主に空気が流れるようになってるようです。

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 内部の前方、上から5インチベイ、二つに分かれた3.5インチのシャドーベイとなります。シャドーベイは上部がリムーバブルHDDケージ、下部に固定ケージで、ドライブは横向きに取り付けます。配線を裏側に回すためでしょう。ここ数年で増えた裏側配線ですが、真ん中がすっきりしてエアフローがよくなるという話で実際見た目は大分違います。ただ上で書いたように、このケースでは吸音シートのせいもありマザー背面側の隙間は狭いです。リムーバブルHDDケージはネジで固定されてますが、一度外して前向きにもできます。その場合は背面を通さずに内側でケーブルを引き回すことになりますが、一度配線すれば左サイドパネルを開ける必要もないのでよくHDDを入れ換えたりする人は便利かも。リムーバブルHDDケージにはきっちり入れたら四台積めますが、写真のようにうちでは二台積みました。逆にケージを完全に取り外して、奥行きの長いビデオカードを取り付けることもできます。二基積んでSLIも大丈夫。

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 下部の固定ケージは、上の二台分のスペースは起動ドライブ専用で(裏側にブート変更基板が付いてます)、下にあと一台積めるスペースがあります。ブート変更基板裏側にはそれぞれ一本ずつSATAケーブルの接続が必要です。普通のセレクターだとケーブル一本にドライブ二台をつなぎ変える形になると思うのですが、変わってますね。おかげで普通にケーブルとSATAソケットが一台分余計に必要になるわけで、なんとかならなかったのかと思わなくもないです。

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 ブート変更基板の裏側はこんな感じ。上下がそれぞれのドライブ用のSATAソケットで、その間はこれまたペリフェラルの4ピン電源ソケットです。基板真ん中の白くて小さいソケットのケーブルは、本体上部とつながってる起動ドライブ変更スイッチのもの。BTOなので電源ケーブルやスイッチケーブルはちゃんと刺してくれてましたが、SATAケーブルは当然自分で刺しました。下でまた書きますが、ここに使うケーブルは細いか薄いか、とにかく柔らかくて引き回しの良いケーブルにしましょう。

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 そういえばこれはマザーボードに起因することですが、うちのマザーにはSATAのソケットは八個あります。高速のSATA3対応が四つに中速のSATA2対応が四つ。写真のボード右端、上の灰色のソケットがSATA3で、下の黒色がSATA2です。二段式なので見えてる後ろにそれぞれもう一つ付いてます。ただしSATA3の一個(上の裏側にあるSATA3-03)は裏のeSATA端子と共同だそうなので、そちらで何か使うつもりなら内部のSATA3は三つまでの計七個のSATA機器を使えます。
 そのうちこの起動ドライブとX-dock用に三つ、光学ドライブに一つが最低限必要となると、あと内部に積めるSATAドライブは三台までとなります。つまりリムーバブルHDDケージを使うとしても、三台までしか積めないわけですね。もっともeSATA端子で外付けHDDを使うくらいなら素直にX-dock使えばいい気もしますので、そうなると四台フルに積んでも問題ないかな。データ用HDD一台とeSATAを共通にする使い方でもなんら問題はありませんしね。あとはSATA3をどこにつなぐかって問題だけです。光学ドライブはそこまでの速度は必要でないので、これはSATA2で決まりでしょう。他はお好みで。

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 さて、ケージにHDDなどを装着するには、まずアタッチメントを付ける必要があります。3.5インチHDDは、左右にスライドレールに乗せるための側面アタッチメントをはめて(写真のようにHDDのネジ穴にピンを差し込むだけ)、ケージに差し込むとパチンと止まります。特にぐらつきもありません。アタッチメント左右のつまみを少し挟みながら引くと抜けます。
 2.5インチドライブは、二個だけ底のある凹型のスライドケースに取り付けます(最初からケージにはまってました)。底の穴に合わせて裏からネジ止めして固定、同じようにレールに差し込みます。外すのも同様に。3.5インチHDDもこのケースに取り付けられますが、その場合も左右からネジ止めが必要です。なおHDD用アタッチメントにはHDD側面に当たるところに耐振動用でかシリコンゴムが貼られてますが、こちらのケースには何もなく、さらにネジ止めもしなくてはならないので、3.5インチHDDを付ける際には側面アタッチメントのほうが無難です。

 下部の固定ケージは、上から二番目までが起動ドライブの取付位置ですが、今回のマザーボード“ASRock Z77 Extreme6”のSATAソケット位置のほぼ真横から若干下の位置になります。一番近い位置である基板の上のソケット1からマザーのSATAソケットにつなぐため15cmの薄型SATAケーブルというやつを買ってきてみたものの、ぎりぎりすぎてねじれ、ソケットに力がかかっていそうだったので取り外し。最短位置のここでも、最低20cmは必要でしたね。ソケット2は無難に30cmのものを付けました。

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 真ん中のリムーバブルHDDケージにも作業兼データ用HDDを付けましたが、そちらはマザー付属の黒いケーブルで付けました。40cmくらいの長さで昔の赤いケーブルより厚みはあるもののずっと柔らかかったので、内部でくるっと一回回してソケットに取り付け。光学ドライブなどに接続したSATAケーブルといっしょにリムーバブルHDDケージにくくり付けてます。

 ちなみにマザーボードには片下L字型のが二本、普通の両方ともストレートのが二本の、計四本のSATAケーブルが付いてました。起動ドライブ用と光学ドライブ用で最低二本を使い、あと二本をHDDに使えます。リムーバブルHDDケージを横向きのまま使うなら、そちらは片下L字型のケーブルで。付属品でもいいし、もっと軽くて取りまわしのしやすいものを買ってもいいでしょう。ただデュアルブート基板用やX-dock用には明らかに、細めの柔らかく撮りまわしのしやすいケーブルを別に購入したほうがいいでしょうね。

 マザーボードにもよりますが横向きにSATAソケットが出てるこのマザーのような物の場合、デュアルブート用基板と繋ぐ物は双方ストレート型の端子で柔らかいケーブル(基板のところが狭いので薄型とか丸いラウンドケーブルとか)がお薦め。というかブート用基板側はストレート端子でないと接続できません。先に書いたように長さは最低でも20cmと30cm。ここに使う分は、マザー付属のものより軽く薄いか、または細いラウンドケーブルを買ってきた方がいいです。

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 光学ドライブ用は別にストレートでもいいというか、むしろストレートがいいかも。5インチベイの最下段はX-dockが付いてますけど、この基板もSATA接続ですが少し奥まっていて下に板があるので、ストレート端子でないと接続不可。ただコネクタの位置が光学ドライブと縦に重なりますので、光学ドライブを二段目に付けて下向きL字端子を接続したところ、ケーブルが干渉して下のX-dockのケーブルが押さえつけられてコネクタに負担がかかります。私は光学ドライブには若干硬い昔のストレート端子の赤いSATAケーブルを接続し、できるだけ丸みをもたせてマザーに接続しました。余裕があれば、どちらも柔らかく軽い薄型かラウンドケーブルを使えば負担も少なくなるかと思います。

 ブート基板以外のシャドーベイに付けるHDDには片側が下向きL字端子のケーブルがお薦め。ドライブ設置が横向きでドライブ裏とサイドパネルの隙間が狭く、HDD側がストレート型だとケーブルが無理に曲がり負担がかかります。私はデータ用HDDを二つ移植したので、HDD用にも二本ケーブルが必要でした。ここはマザー付属の一方がL字型端子のケーブルを二本使用。

 この時点で計六本、SATAケーブルを使用することになります(購入した一本は使い損ねたし、付属のケーブルの代わりに色違いの古いケーブルを光学ドライブに使ったので、無駄も出ました)。もちろんHDDを増やすとか二台目の起動ドライブやX-dockを使わない等で、本数は変わります。

 とりあえずケースについてはこんなところでしょうか。今までの物と比べてとにかく静かで、CPUもそこそこ冷えてるので──まあ元のCPU自体が低消費電力になってるのとCPUクーラーが大きいからでしょうが、深夜使う時も静かでいいです。規格が大きく変わらなければ、十年経っても使えそうなケースですね。夏は……ドア開いておくか。

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