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『Now In The Night』 後編

 鈴木博『NOW IN THE NIGHT』の曲目紹介と感想?の後編です。

 今回も動画貼りますので、お話は続きで。

 前回は6曲目まででした。今回は7曲目から。

7) Misty

  これも有名な曲で、わたしも知ってます。曲は知ってるけど、名前が出てこない程度(または逆に名前知ってるのに曲が出てこない程度)ですが。まあ今回歌詞込みで聞き込めば、さすがに覚えるだろうて。
 ともあれ詳細はよく知らないので検索してみました。
 作曲者はエロル(またはエロール)・ガーナー。ジャズピアニストとして有名ですね(エロール・フリンは俳優)。まあわたしも名前くらいしか知らないわけですが。Wikipediaの彼の項目によれば、独学でピアノを習得したため生涯譜面が読めなかったとか、いろいろな逸話があります。
 『Misty』は1954年にインストゥルメンタルとして披露されましたが、のちにジョニー・バークによって歌詞を付けられ1959年にジョニー・マティスの歌でヒットしたそうです。

 ジョニー・マティスの1959年版。後年はもっと渋い声ですが、このころは甘い声で、これはヒットしますな。

 エロル・ガーナーの演奏。少し音量大きめなので注意。なんというか表現豊かすぎてあっぷあっぷ(笑)。もう少しおとなしい演奏もあったのですがあえてこちらを。静かに盛り上がる歌唱系ミスティと違い、これぞジャズピアノのグルーヴという感じがしないでもないですがどうでしょう。

 鈴木さんの歌は素直に歌唱系のものをより深めた感じでしょうか。低音が響いて気持ちいいですね。バックも凄くいい感じ。声を抑えず、声の出てないときはぐっと前に出るバランスが演奏もよく聞かせてくれます。トッププロらしく、私の素人耳でもいい気持ち。普段聞くポップスにはこういうのはないわな(笑)

 最後にもひとつ、サキソフォンのミスティを。スタン・ゲッツというドイツ系ユダヤ人のサックスプレイヤー。これですよ、これが初期の私のミスティのイメージ。前に聞いたのはこういう感じでした(当人のではないと思いますが)。タバコの煙にけぶる薄暗いクラブの片隅で演奏されるイメージ。埋め込み無効になってるので、リンク先で聞いてください。


8) New York State Of Mind

  えーと、これまた記憶にございません。ビリー・ジョエルの歌。いやビリー・ジョエルのころって、洋楽聞いてなかったので。というかその後もまともに聞いてないのですが。しかし鈴木さんの声のせいか、いい歌ですね。あと間奏のサックスもいいしピアノもいい……ミスティにつづいてこの曲という流れはなかなか気持ちよくて好きです。低音響く響く、伴奏響く響く(ある程度の音量で聞きましょう)。
 Wikipediaの記載やら歌詞の翻訳やらみると、なかなか背景の読みが難しい歌みたいですが、まあ関係ないか。日本にツアーに来てた際に阪神淡路大震災にあい、その日の大阪公演の収益を全額被災者に寄付したというのは知らなかった。さすがアメリカン。

 動画は911事件の遺族への寄付のためのTV番組で、ビリー自身のプレイ。

 すいません、ビリー・ジョエルなめてました。声も演奏もいいです。鈴木さんの声のほうが好みではあるけど、オリジンの凄味というか、ニューヨークとアメリカンな感じは、ビリーのほうが似合ってるかも。なんというか朝もやと郷愁のニューヨーク。鈴木さんのは薄闇に沈みゆくオレンジ色と街の灯のニューヨーク。という感じ。


9) Love Letters

  これも覚えがなかったんですが、調べてみると作曲はヴィクター・ヤング。どっかで聞いたなと思ったら、映画音楽のひとじゃないですか。代表作は『シェーン』とかでしょうか。元はクラシックから始まりポップス、次に映画に入ったのね。この歌は1945年の映画『Love Letters』の主題歌にヴィクターが作ったもので、歌手はディック・ヘインズ。その後プレスリーやナット・キング・コールも歌ったそうですが、最初にヒットさせたのはケティ・レスターという女性歌手だったそうです。いやこのリンク先の記事があまりに濃いので思わず動画探してしまいました。

 ケティ・レスターの1964年当時の動画。編曲のせいか、なんか曲調が違ってて別の歌に聞こえる(笑)。個人的には、鈴木さんのほうが好み。

 一部のメロディ、どっかで聞いたなと思ったら『ムーン・リヴァー』の一部と似てるなー。
 もひとつナット・キング・コールの歌う『Love Letters』を。


10) P.S. I Love You

  すいません。これも知りませんでした。親父に聞けば多分知ってるだろうけど。調べてみると、1934年の作品。映画やミュージカルとは関係なく、単独で出た歌だそうです。リンク先によれば、出たときよりも1953年にコーラスグループのヒルトッパーズが歌ってヒットさせたそうです。
 鈴木さんの歌声は、やはり夜の町に響くような低音が魅力。

 いくつか探したうちから、ボブ・マニングの歌うこちらを。

 か、かっこええ。これはいいわ。ううむ、ロマンチックさでいえば鈴木さんのよりいいかも……。これはあれだな、町中というより自宅。窓際にラジオを置いて、月の明かりに照らされた庭か路上の樹をながめつつ聞くような感じでしょうか(ただしリスナーは若い女性に限る)。

 もうひとつ、メル・トーメのボーカルで。シナトラと並ぶジャズの巨人だそうで(浅学なので知りませんでしたが)。こちらはまたムード満点。声もいいし、編曲がまたいい感じ。ジャズで思い浮かぶイメージの頂点のひとつのような歌い方ですね。こちらも夜の町中のイメージかな。古き良きジャズ・クラブのイメージ満点。


 これで全曲紹介終了。いやー、知らないので前知識無しで聴くと鈴木博さんのアルバムとして酔いしれるんですが、スタンダードナンバーだけに、かつて歌いヒットさせたジャズ・シンガーたちの凄さたるや。ジャズだし殆どが歌い方違うので同等に比較するものでもありませんが(結局は個人の好みに)、いいものを聴きました。たまにはこういうのもいいな。

 鈴木博さんのもうひとつのレコードもCD化されるとうれしいんですが、あちらは単独ではないようなので難しいか。それより『わたしを月まで連れてって!』のイメージアルバムをCD化してくれればなぁ。なんとかしてレコードプレイヤーを入手せねばいかんのか……。

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 あー、ちなみにちゃんと探したら、他のレコードとともに見つかりました。うちのやつ。帯は外してましたが(当時は帯をなぜか外して保管してたんです。一応オーディオラックは残ってるし、前にみたときはいくらかあったんで、残ってる可能性もある)。左が一枚目、鈴木さんのフライミーが入ってるほう。右が二枚目、こちらには木村真紀さん(検索すると『ANUBIS Z.O.E』の主題歌も歌ってました)の歌声で入ってます。木村さんは『緑野原座フライトプラネット』のイメージアルバムでも歌ってたか。あれも好きだったんだよなー。


 最後にオマケ。いろいろ聞いた中では、一番好みだった『Fly me to the Moon』。トニー・ベネットの歌うフライミーを。でもやっぱりこれは鈴木博さんのが私のスタンダードかな。ベネットのは少しスローすぎて、もったいを付けすぎてるようにも。

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