« 100/1150枚。のうちの一枚。 | トップページ | 『メトロポリス』……完全版? »

訃報。今敏監督、ご逝去。

 アニメーション監督の今敏(こん さとし)さんが、24日に亡くなられたそうです。ソースはリンク先記事のGIGAZINEさん。
 まだ47歳(訂正)46歳という若さで急逝されましたが、ガンだったそうで。23日に書かれた最後の日記までは特に身体の具合について書かれてなかったそうで、身近な人しか知らなかったのでしょうね。

 私は映画『パーフェクトブルー』しかまともに観てませんが、あれは原作付きとはいえ傑作でした。
 世界的にも著名な作品を手がけた監督でしたし、本当に残念です。お悔やみもうしあげます。

 追記。
 うちからは公式サイト「KON’STONE」につながりませんが、遺書とか公開されたそうで。「はちま起稿」さんとこで記事にまとめられてたので、そちらで見られます。他の方のツィートも。
 死因は末期の膵臓癌。今年五月には夫婦揃って告知されてたそうで、それもあってこんな凄い遺書は初めて読んだ気がします。達観したとかあっさりめの意味で凄い遺書は読んだことあるけど、人間味にあふれる、周りの人たちへの配慮までも全て盛り込んだ遺書──私には、まあそれだけの積み立てられたものがないこともあるけど、こうは書けません。本当に仕事にも人にも真摯なひとだったんだなぁ……。

 そもそもはアニメーターを志していたそうですが、クリエイターとしては漫画家としてまずデビューされました。私も単行本『海帰線』持ってます(買ったのは復刻版だけだったかも)。なので、後年アニメ監督デビューしたときには、驚きました。

 『海帰線』は当時アシスタントをしていたせいか大友克洋さんの影響も強い漫画でしたが、話としては土着っぽさとかどこか絵画的なオチとか、むしろ同じ大友アシスタントだった高寺彰彦さんの漫画と似てたような気がします──根っこは同じか。大友さんの漫画でいえばアニメにもなった『彼女の想いで』のノスタルジィに通じるところがありますが、大友さんの漫画はものすごくノスタルジィにひたるかかなりドライな視点で見るかのどちらかなので、それよりも高寺さんの漫画に近かった気がします。個人的には。

 高寺さんの漫画に『悪霊』という、ホラーというか亡霊譚の傑作があります。大友さんの『童夢』以来の演出に『AKIRA』ほどは行き過ぎないアクションと因果応報をこねてそこに血縁の愛情やらも含んだ、ドライな表現でウェットなシナリオを仕上げた漫画。『悪霊』は前日譚である短編と本編の二つの話が合わさった単行本なんですが、その短編で出た見えない悪霊の力の表現が独特で、何もない部屋から出てくる悪霊の力が膨らんでいくゆがんだ空気として描かれてるんですね。『童夢』で有名になった大友さんの超能力の表現、あれと同様の流れなれど、他では未だに見たことない表現でした。というかゆがんだ空気が見えるのですから、つまりはそれまでの溜めとかなりの画力が必要で、簡単には真似できない。ある意味、すりばち状にすれば済む大友表現より高度でありました。

 閑話休題。そういう映像があったわけではありませんが、今敏さんの『海帰線』も海や山の自然の描写は細密で似てましたね。ペンタッチは高寺さんは独特なので、どちらかといえばシンプルな大友さんに近かったような。細かいところは思い出せませんが、いい漫画でした。


 『パーフェクトブルー』以外の映画、観ないとなぁ。
 『千年女優』は当時から観たかったけれどBD出てません……。『パーフェクトブルー』のBDは出来が悪いという評判だし、最新作の『パプリカ』くらいか、BDすぐ買えそうなのは。これも観てないので、余裕があったら買うことにしましょう。

|

« 100/1150枚。のうちの一枚。 | トップページ | 『メトロポリス』……完全版? »

コメント

お久です。
・・・なのに、コメントが今監督の訃報とはorz
偶然にも「東京ゴッドファーザーズ・・・クリアで撮っておいたかなぁ・・・ワハハの梅ちゃんイイ役してたよなぁ。(クソはいいけどジジイは許さないわよ!は名言)・・・そのくらいの寛容さはないとねぇ(笑)」と思っていたばかりなのにorz
・・・・・・なんでしょうねぇ。
同作品は思入れが強すぎて他のは未見です。
(なりそめの作品ですし・・・・・・てへ(笑))

投稿: 海♪ | 2010/08/25 21:46

 海♪さん、こんばんは。

 『東京ゴッドファーザーズ』はTVでやってたときに頭見損ねたので、結局そのまま観ずにおります。いずれは見ようと思ってはいたんですが……。なれそめというのは、奥様との? リア充ですな、もげ──(笑)

 劇場ではどれも上映期間短くて(というか田舎なので殆どやらなかった)一本も見てないのが残念です。『パプリカ』は観にいけばよかったな。

 東京とかならどこかで追悼上映しそうですけど、地元では無理ですね。TVでも多分しないだろうし、せめて映画のBDは買うべきか。『パーフェクトブルー』はいずれ買うつもりでしたが……。

投稿: やずみ | 2010/08/25 23:12

 『パプリカ』をDVDで観たのみですが、映像が素晴らしく気持ちよかった。スノッブ臭も、『鉄コン筋クリート』などに比べれば無いに等しかったし。ただ、ストーリーはどうでもいい──『秒速5センチメートル』みたいに激しく仇なす類ではなかった──けど。(無論、映画に物語が必須とは思ってません)
 他作品は、『パーフェクトブルー』は観てみたいですねぇ。タイトルがカッコいいし(笑)。『千年女優』は、宇野常寛さんがくそみそに言ってるけどけど……。

投稿: 翡翠 | 2010/08/25 23:38

 翡翠さん、こんにちは。

 『パーフェクトブルー』はダークな話だしこの手のサイコ系によくある映像的錯覚も活用してるので、好きな人は好きだけど嫌いな人も結構いる気がします。話の展開とかはともかく、演出、キャラの描き方は大友さんぽかった気もするな。

 原作はちらっと見ただけですが、プロット、外ワクの流れだけ似てて、内容は全く違うそうです。映画はヒロインの内面を掘り下げていて原作は単純に事件もの、犯人も違うしテーマ的にも別物ですね。
 ストーリーがどうかといえば、そう深いものではないです。単純に言えばストーカー事件が絡むサイコホラーかな。

 ちなみにヒロインは元アイドルで女優に転身しつつあるという設定ですが、声を当てたのは当時元アイドルで歌える声優としてブレイク中の岩男潤子さん。私がこれを見た理由のひとつで、好きな理由のひとつでもありますが。劇中歌を何故本人に歌わせなかったのか、聞いてみたかった。

http://www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/perfect-blue/


 『パプリカ』は原作読んでないけれど、漫画版は読みました。アニメ化前とあとで二つ書かれたはず。漫画版も原作とはかなり違ってたはずです。アニメ化前に書かれた萩原玲二版はわりと好きでしたが、これも途中で終わってたよーな……てかwikipedia見たらあとで一応完結させたってあるな。復刻単行本で完結してたのか。
http://www.amazon.co.jp/dp/4754232208

 原作は一応完結してたと思います。文庫版探して買うかな。

 そーいや夢か現かわからなくなるというのは『パーフェクトブルー』も同じです。あちらは特に夢に入る機械とかあるわけではなく、心証と映像表現としてだけど。

投稿: やずみ | 2010/08/26 16:33

2010-10-03(日) 23:50放送のMAGネットでは、今敏さんの追悼特集を組みます。
[NHK BS2]MAG・ネット ~マンガ・アニメ・ゲームのゲンバ~
http://www.nhk.or.jp/magnet/
第22話「特集「追悼 今敏」」

 情報までに。

投稿: 神子秋沙 | 2010/09/27 05:09

 秋沙さん、こんにちは。お返事遅れて申し訳ございません。

 いやもう予約バッチリですよ!
 普段MAGあまり見てないんですけどね。

 ともあれありがとうございました。

 ついでにいうと、4日深夜(正確な時間は下)には『パプリカ』も放映するようですね。BD買おうかと思ってたけど、一応こちらで見ることにします。

 『パプリカ』
 NHK-BS2 10月5日 0:45~2:16


 こちらなどで紹介されてます。

http://www.cdjournal.com/main/news/kon-satoshi/34075

http://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg3.cgi?setup=/bs/genre/anime

投稿: やずみ | 2010/09/29 18:41

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 訃報。今敏監督、ご逝去。:

« 100/1150枚。のうちの一枚。 | トップページ | 『メトロポリス』……完全版? »