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作家「大迫純一」氏、ご逝去。28日、途中に追記。

 作家の大迫純一さんが、5月25日午後11時27分、癌で亡くなられたそうです。
 享年47歳だそうな。お悔やみ申し上げます。

 【訃報】 ラブプラス寧々ルート担当作家大迫純一さん死去
http://alfalfalfa.com/archives/395645.html

 ここ数年で亡くなられた作家さんは他にもおられますが、個人的に現役で強烈な物語を書かれる作家さんとして、非常に惜しまれます。言いたくはないが、『ゾアハンター』だけでも完結しててよかった……まだ集めてない本もこれから集めないとなぁ。『ポリフォニカ・ブラック』シリーズなんかは、もう読めないのかー。

 大迫純一氏を最初に知ったのは、昔単行本サイズで出ていた徳間書店の漫画『ハイパーゾーン』からでした。数人の漫画家の作品が特にからみなく載った雑誌のような、SFとかファンタジーっぽければ特に何の脈絡もなく集められたオムニバス単行本。新人さんが多く寄せられていたと思います。
 デビュー作は覚えてないけど、初連載の『魔諭羅(まゆら)』が記憶にずっと残ってました。のちにちゃんと単行本化されましたが、当然すでに絶版です。復刻もされてないから、中古でもなかなかないかも。都会の闇に潜む魔物を退治する少女と元刑事の探偵が主人公で、正直上手くはない絵なれど、なかなか衝撃的な最終回でシナリオはよくできていておもしろかったです。ダークな雰囲気で、勧善懲悪という感じでもなく、でも正当ヒーローっぽい、永井系統でなく石ノ森系統の作風でしたね。

 そうして名前覚えたものの、一向にその後出てこず、結構たってその名前を久々に見たのは、なんと小説の著者としてでした。漫画家廃業後もいろいろ仕事をしつつ、作家に転向されたそうで。しかもどマイナーなラノベ?ブランド、青心社が出していた青心社文庫。ブランドがブランドなんでちょっとエッチな展開もありましたが、あいかわらずな化け物趣味やらが目立ってました。

 で、2000年にハルキ・ノベルズで『ゾアハンター』が出ます。『魔諭羅』以来、いかにも大迫氏らしい物語でなおかつ集大成のような作品でした。『ゾンビーハンター』ぽかったり、『仮面ライダー』ぽかったり、アダルト・ウルフガイぽかったりもしますが、ラノベ系統としては実に秀逸な正当派ヒーロー物語(口は悪いが人助けに命をかけられる男。最低なやつらでも人間だからつい助けるし)。
 本人のあとがきにあるように、絶対おもしろい作品だと思いますが、ノベルズブランドのせいかしらんが、とにかく売れ行きがいまいちでだんだんと先細り、ブランド変えたりしてシリーズがブツギリになりつつ5冊まで出したものの、そこで中断しました。

 ……しかし2007年、GA文庫からついに『ゾアハンター』シリーズとして復活。焼き直した既巻分も含め全7巻で完結しました(4巻までは以前の流れに似てるけど最後に向けて少しずつ変更してるので、旧作は旧作で集めましょう)。

 GA文庫ではシェアードワールド『神曲奏界ポリフォニカ』シリーズの一柱『ポリフォニカ・ブラック』シリーズなども書いていますが、こちらの評判も良いです(こっちはあまり持ってない)。著書として最多シリーズですし。あれ、ひとまず終わってたかな? 中断か?
 さらにその中でのスピンアウトである『レオン・ザ・レザレクター』シリーズはいかにも大迫ワールドでおもしろそうでしたが、全部完全に読んでないなー。レオンシリーズは一区切りついて、新しい展開になったばかりだというのに……。


 28日、追記。
 『ポリフォニカ・ブラック』は現在漫画化もされています。
 絵師は繊細ながらダイナミックな構図も描く米村孝一郎さん。掲載はWebの「Flexcomix ネクスト」。タイトルは『神曲奏界ポリフォニカ ザ・ブラック』として、単行本は現在第1巻。FlexComix WebYahoo!コミックにて最新話数他が無料で読めます(Yahoo!コミックのほうはFirefoxではちゃんと読めないので注意。IEなら大丈夫)。
 お話は記憶にある分では大体忠実だったと思いますし(読んだの大分前なのでうろ覚え)、なかなか面白いです。レオンなんかは原作だと登場時の挿絵はただのゴリラだったので(笑)、こっちのほうが後期の挿絵に近く、かっこいい。そのせいか漫画としての魅力が大きく、ちょっと大迫色が曖昧な気もしますので(ハードボイルドさは原作というより絵柄による感じがして。無論原作あっての物語なので、オチまでくればお話は大迫さんらしい話になるはず)、上げるの忘れてました。このエピソードだけで漫画化が終わるのは残念なので、できれば続いてほしいものです。というかレオン・シリーズも描いてほしいな(笑)


 他にはHJ(ホビージャパン)文庫jから、これまた大迫ワールドな『戦艦人間ハヤト』や『鉄刃サザン』なども出しています。両シリーズとも全3巻で終わってしまいましたが、ネタやビジュアル的に『サザン』はいい感じでした。


 以前ゲームのシナリオなどもやってたとは聞きましたが、まさか『ラブプラス』の姉ヶ崎寧々ルートのシナリオなんてものまでやってたとは……。なんかこっちのほうが訃報記事のタイトルになってるのは、大迫純一の熱い物語のファンとしては複雑ですが。

 一応大学の後輩として親近感ももってたので、偉大な先輩としても、お悔やみ申し上げます(歳が違うので同じ空気吸ってたわけではないが……歳の近い島本和彦とはすれ違ってたのかも)。ちなにみあそこの大学は、中退したほうが有名人になるというジンクスが……私は無論卒業しましたよ?

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コメント

 この訃報を聞いて「魔諭羅」を引っ張り出して読み直しました。。
 まだ50にも行っていないのに、早すぎですね。

 魔諭羅を昔読んで最初に思ったことが、魅墜姫(みづち)と同じく氷頭おじさんも女の子化してしまうのだろうか?
という疑問だったり。

 兎も角残念です。

投稿: 神子秋沙 | 2010/05/29 07:13

 引っ張りだせるところにあるのが凄い。うちのはもうどこの腐海にあるやら検討もつきません。

>氷頭おじさんも女の子化してしまうのだろうか?

 顔の骨格まで変わるんならかまわないけど、前者を見るにさほどかわらないんじゃないかな……すいません、見たくないです(笑)

 漫画家としてはコアなファンしかいなかった気がしますが、小説家としてはまだまだこれからだったと思います。『ポリフォニカ・ブラック』ならアニメ化もアリだなぁと思ってたので、実に残念です。

投稿: やずみ | 2010/05/29 12:54

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