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映画『アイアンマン』

 土曜日の夜、映画『アイアンマン』の試写会に当選したので、観に行ってきました。
 ああ、上のオフィシャルサイトでいきなり出てくる予告編、カットは短いけどネタバレだらけなので観に行くつもりならスルーしたほうが吉。TVCMも始まってますが、これもいくつかネタバレが。まあ戦闘シーンなんかはまだしも、オチ入れちゃあかんだろう。アメリカの予告編のほうがまだマシ、というかかっこ良かったです。短い分テンポは日本版のほうが上かもしれないけど。

 米マーベルの漫画が原作のヒーローもの映画です。原作は読んだことないし、アイアンマンも名前以外はよく知らないので、映画版での紹介をします。

 物語。兵器開発販売企業の二代目トニー・スタークは天才発明家にしてプレーボーイ。幼少時より科学、メカニックに強く、成長後父が亡くなり一旦は父のパートナー・オバディアが社長に就任したものの、その後会社に迎えられると三代目社長に就任。その天才ぶりから新兵器も新技術も開発する文字通り会社の顔として、独身のハンサムで浮名も流す有名人として世界に名を知られる男。
ところがあるときアフガニスタンで新兵器のミサイルのお披露目をしたあとテロリストに襲撃を受け捕虜に。心臓間際に受けた傷と弾の破片から電磁石で心臓を守るという応急手術を同じ捕虜仲間から受けて助かったものの、明日をも知れぬ捕虜生活。新兵器を造れという脅迫を逆手にとり、なんとミサイル部品他から超小型発電装置とハンドメイドのパワードスーツを製作、なんとかその場を脱出し生還を果たす。
 米に帰還した彼は兵器開発を止めると宣言、幹部ら周囲の人間を唖然とさせる。彼を助けるために殺された命の恩人のことや、テロリスト側も彼の兵器を使っていたことにショックを受け、本当に自分にできることが他にあることに気がついたのだ。自宅に閉じ籠もり、コンピュータの相棒相手に新たなパワードスーツ、マーク2の製作に取りかかる。一方生き延びていたテロリストの頭は、トニーの脱出時に砂漠に激突、バラバラになった試作パワードスーツをひそかに回収していた……。

 トニーがこの映画内で作るのが三体のパワードスーツ。マーク1はいかにも手作りでございな見た目ながら異様に強い。つーかミサイルあたりから外殻作ったんだろうけど、なんであんなに頑丈なんだ。マーク2は新造でコンピュータの助けや素材も選べるだけあってかなりスリムながらフルアーマーに。なんか無表情でゴツいマスクがご愛嬌。さらに改良したマーク3はより洗練されカラーリングもあってスマートなイメージ(これが現時点での完成体)。この映画、正直ヒーローものに外せないヒーローになろうとする条件としては今までの中で弱いほうだと思うけど(今まで兵器製造を気に求めない死の商人が、敵方が自分の兵器を使ってる&自分がその被害を受けることによって改心する……想像力のない金持ちのボンボンだったってことだよね)、ヒーローになる過程を描くものとしては抜群にいい。約2時間ちょいの上映時間のうち、開発とテストに費やす時間が結構長く、しかもその機能を自分のものとするためのテストがいちいち笑いを誘う。かなり軽薄なプレーボーイという面もあって秘書や友人とのやりとりも軽快で主人公の身に起きた不幸を緩和する(もっともそれがゆえにヒーローの芯が弱く感じるわけだが)。そうして出来上がっていくパワードスーツのギミック、機構の見せ方がまたこの手のガジェット好きにはたまらない。いろいろツッコミどころはあるけどそこらへんをスルーしてもいい程度に次から次へと上手い具合にシーンが進む。
 トニーの発明品にして命の綱が、胸のマイクロ・アーク・リアクター。会社には直径10mもあろうかという巨大なものしかなかったのに、現場でいきなり手のひら大に小型化したもの。この大きさながら原発並の発電装置。最初は電磁石の代わり兼パワードスーツのエネルギー源として製作したようだが、帰還後はなぜか心臓のペースメーカーも兼ねてるらしく、外れてると息も絶え絶えに。捕虜時の手術の理由は細かい破片が心臓に行かないように電磁石で止めている(もしくは動かないようにしてる)って風に説明されてたけど、マイクロ・アーク・リアクター製造後電磁石と交換したときには、胸に埋め込むどころか筒状にして心臓にまともにくっつくくらい埋め込んでるようだし、破片が心臓内に入らない限りは苦しくなりそうでもないのに、外されて息も絶え絶えって……なんか字幕で言葉端折りすぎてるのかな。しかしリアクターについてのあるエピソードが伏線になるのは、出たときからわかってたけどやはり面白い。

 wikiでアイアンマンの原作設定を見るにつれ、上手いこと換骨奪胎して原題にあわせてあるなあと思います。元はベトナム時代だったってのが笑えるけれど、心臓のペースメーカーがわりが胸のアーク・リアクターでなくスーツ自体だったというのも凄い。脱げないわけだから(もっとも跡では脱げるようになったらしいが)。映画でも帰って来たけど医者にはかからず、大金持ちなら心臓近くの破片とか取れるような名医とかにかかろうと思わんのかとツッコみましたが、脱げないスーツよりはマシか。

 改変として時代にあわせて、ベトコン→アフガンゲリラ(まあ実際には村を襲い自国民の拉致も行えば、依頼を受けて暗殺も行う極悪テロリストですが)になってます。捕虜になりパワードスーツ製造を行うという最初のほうの流れは同じみたい。ただ単純にベトコン相手に戦うという愛国者ぶりは(キャプテンアメリカと同じく)、流石に今の時代にそぐわないということで敵をわかりやすい悪党にしたんでしょうね。そのためアフガンの村を襲う敵をなぎ払うシーンがあるわけですが、あまりにできすぎな親子の危機を救うカットではアメリカの正義クサいのでちょっと笑っちゃいました。『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のラストの子供らの帰還はほほえましかったけど、なんだかね。やはり主人公の差でしょうか、それとも時代背景、今もマジで危険地帯であるアフガンが舞台という設定のせいでしょうか。自分らで危ない国にしておいて戦争でボロボロにしておいて、あげく強大な武力で助けましょうって、そもそもああいう危険地域にしたのは誰のせいよっていいたいことが、見事にリアル・アメリカとアイアンマンに被さるのでもう笑うしかないんです。……アメリカだと笑うところじゃないんだろうけど。もっとも制作者が自虐的に作ってるのかどうか、このシーンではわからないのが残念。まあ助けてくれたアイアンマンに子供が笑顔を見せるとかありがとうを言わなかったのは褒めていいかも。いやこういうアメリカンヒーローな作りだと言わせかねないのがハリウッドだし。
 でも日本だとここできっと、顔を向けたときに皆おびえて逃げるとか、どうせ同じ危ない輩だという嫌悪か憎悪の目を向けるとかしかねませんが。自虐的ヒーローなら日本ですよ。あと、そもそも敵も普通に愛国者にしかねないなぁ。それで「俺の両親はただの農民だったのに、貴様のミサイルで殺されたんだ!」とか言って主人公にトラウマを植えつけると。敵にも正義があるってのは今の日本アニメorノベルの常道ですからねぇ。

 ともあれおもしろうございました。余裕があれば是非映画館の大スクリーンでどうぞ。

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