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漫画家残酷物語。

 今回は最近話題の『金色のガッシュ!!』で一世を風靡した(でいいと思います。アニメになってブレイクしたし)雷句誠と小学館訴訟問題です。訴訟自体は編集が失くしたカラー原稿の保証額に対するものですが、原因はそれよりご本人のブログ『雷句誠の今日このごろ。』を見ればわかる通り編集側への相当な恨みが爆発したものだと言えます。

 幼いころの憧れの一つが漫画家です。昔はその作風、ただの物語でなくダイナミックな時に繊細な絵柄こそが憧れの一つだった気がします(もちろん物語あってこそ作品の感動が今も残ってるわけですが)。友人に物凄く絵の上手い奴が二人いて(違う時期に別々に仲よくなった)、そらもう、うらやましかったものです。小学校卒業後は疎遠になり会ってませんが、内一人はその後東京芸大行って日本画家になりました。やはり上手いやつは小学校一年から上手いもんです。

 んでまあ長いこと、漫画は漫画家の能力が大半であろうと思ってました。画もお話も。編集者はそれを違う目で見てより良くなるアドバイスをし、そして読者との仲立ちをするための最初の読者だと。ぶっちゃけ編集者との関係は『まんが道』とか手塚治虫絡みの話で見たものが最高であり理想で、最低でもせいぜい余所の小説や漫画内に書かれるアドバイスがいまいちアドバイスになってない程度のものだとおもってたわけで、それがなんか違うのかなと感じてきたのは大人になってから、悪名高きジャンプシステムを噂に聞くようになってからでした。編集が作るお話、それを描く漫画家。映画とか他のシステム、編集者とか知ったあとでそういうものもあるのかと納得できる年にはなっていたけれど、それでも今回知った小学館の一連の話は違うよなぁと。

 これはシステムの問題ではなく、人間と人間、文化の違いじゃなかろうか。私が幼少時に思ったような作家たろうとする漫画家と、そもそもが漫画は売る為の道具でしかない資本主義のスタンダードな思考とエリート意識の強い編集側との。と思っていたら、やはりそういった見方が多いのか、いろんなところで書かれてます。
 漫画家の中からはあまりにあまりな編集への文句も、ちらほらとですが伺い知ることのできるような表現で書かれていますし、編集者でもある竹熊健太郎さんのブログでもこれについて記事を書かれていました(こちらではある漫画家のサイトの小説に対しての印象も書かれてます)。

 まゆたんブログ:思うこと。
 雷句さんが訴訟問題を起こしてからわりとすぐ反応して応援するような文章を書いて一躍注目。読んだことはないけれど、全く興味もない私でも『快感フレーズ』自体は耳にしたくらい売れてました。その後他の出版社に移ったようですが、裏にまさかこんなことがあろうとは……。

  毒毒ドクトリン@葉隠荘の事件簿 : この機に便乗して言ってみる
 集英社から他に渡りまた集英社で描いている漫画家さんの言葉。確かにこれのお蔭でジャンプシステムがたいしたものではない気がしてくるから不思議。

 惣領冬実@web
 私は『ボーイフレンド』読んだくらいですが、おもしろかったです。で、ここのプロフィールとか見ると壮絶なことが……なおかつGallaryから過去の作品集Worksを開いて解説を見ると……小学館恐るべし。随分前の話なんですけどね……。新庄まゆさんの経験と重ねると、この人は強かったんだなぁと(問題の起きた年齢も違うし、人生経験の差とかもあるんでしょうけど)。そんなわけで小学館のあと講談社から同じ漫画の単行本が出直してるわけです。

 たけくまメモ : マンガ界崩壊を止めるためには(1)
 ここで紹介されているのが、漫画家・松永豊和が自分のサイトに載せている自伝的小説。あまりよく知らない私でもなーんとなく思い浮かぶ漫画の先生や雑誌などが出てきて、物凄く読ませます。まあちょっと漫画家主体過ぎな面もあるのは、竹熊さんがおっしゃる通り。私はちょうどこれを見る前に他で知りましたが、前半は素朴でいい人なんだけど、後半に行くにしたがって追いつめられていくというか、変わっていく主人公が……がんばってほしいものです。

 あの松永豊和は今
 で、こちらがその松永さんのサイト。メニューから自伝的小説『邪宗まんが道』へどうぞ。トップ見ればわかりますけど、以前『バクネヤング』という漫画でこれまた一部でしょうけどかなり注目された漫画家さんです。『バクネヤング』は最後まで連載されず後に単行本で完全版が出ましたが、私は買ってないので結局最終回は見てません。ここらの経緯も小説で書かれています。本当に全て真実かどうかは不明ですが。その後漫画雑誌『IKKI』で『龍宮殿』を見たときには、おお画がまた変わったけど相変わらずちょっと変わっていておもしろいなぁと思ったものです。なにせ雑誌が雑誌なもので結局これも全部は見てないのですが、ラストは好きでした。TOPから「漫画作品」へ入り、これら漫画に関しての解説も読まれると追いつめられてるなぁと小説の補助ができるかと。

 まあここまで書いたところで例の事件があって置いてたら、まとめサイトがいつのまにやらできてました。
 雷句誠が小学館を提訴まとめ  雷句誠の小学館提訴に対する各所の反応まとめ
 全部あるな。もうここまででいいか。他も気になる方はこちらのリンクからお読みください。

 あ、ここのリンク先からも一つおもしろいところをご紹介。

 ハヤシ(元漫画家)さんというリンクがあります。以前サンデーで林 倫恵子という名で『音吉君のピアノ物語』という漫画を連載していた漫画家さんですが(検索して読んでたことは思い出しましたが、最後は全く覚えてません)、今は廃業してピアノ関連の仕事(ピアノ指導とあるので、先生?)をされてるようです。音大出身でピアノ弾いてたとか。で、おそらく最後の漫画であろうというのが、社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)が主催するピアノ全般のサイト『PTNA ピティナ』でコラム的に描かれている『ショパン物語』。1ページ単位でピアニストデビューの頃からのショパンの小話を描いています。これがなかなかおもしろいので、ご覧あれ。
 で、ハヤシさんのサイトがこちら『マンガとピアノの道』。表紙見るとドラクエとか鳥山明さんのファンであろうことはすぐわかるのですが、なんか自分の漫画の画より模写が上手い……ドラクエ四コマとか描けばよかったのに(もしかして描いてた?)。「ドラクエ・クロノトリガーの部屋」はまあ下手なパロディが多く好き嫌いはあると思いますが、「過去の雑記」はなかなかおもしろいです。漫画家時代のもピアノ関連のも。あとまとめサイトからのリンクでもある今回の雷句問題について書かれてるのはブログ『社会ネタ、作品感想、ピアノ、マンガ・創作、クロノ関連』のほうですが、先の「過去の雑記」でもそういった漫画家と編集者の話が出てます。

 最後なんですけど、実は『金色のガッシュ!!』読んでたしおもしろいとも思いますが、買ってはいません。なんかこう自分とは合わない部分があるなぁと(ぶっちゃけ金もない)。まあここんとこのサンデーのコミックスはみんなそうなんですけど(ええと西森博之・著『お茶にごす。』だけは買ってます。おもしろいですよ)。

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コメント

 『金色のガッシュ!!』は、「ファウード編」終盤から流し読みしてました。アニメ終了を知ってから。という訳で、熱心なファンではありません。
 でも途中から読んだだけでも、濃密な質・量を持つ、客観的にも良い作品だと感じてました。それが舞台裏では、掣肘によるストレスにさらされていたなんて……。すごいプロ魂/作品への愛情だなあ。

投稿: 翡翠 | 2008/06/15 23:55

 『金色のガッシュ!!』は連載開始時から読んでました。もっとも当初の印象は話は普通で、絵柄は悪くない程度のものでしたが。サンデーの新連載にはよくあることです。その後色々盛り上がって来て、面白いとは思ったけれど、ギャグのタイプが合わないので結局買うほどにはいたりませんでした。
 熱血の方では結構合ってたんですけど、こちらも凄いものは色々あるので……まあ師匠筋の藤田漫画も『うしおととら』中頃で見切っちゃったしなぁ(『からくりサーカス』も全体的には傑作だと思いますが、個人的には序盤終わったところで見切りました。この人長くなるとどうにもどこか合わないところが出てくるなー)。

 もひとつ個人的な感想を言うと、擁護発言などされていた橋口たかしさんの漫画は『超速スピナー』半ばまでしか面白いと思ったことありません。サンデー連載はダジャレものとしかいいようがないし、技術はあるけどシナリオダメダメというか。『焼きたて!!ジャぱん』は途中からほんと酷くて、ラストは最悪でした(最近古本屋で読み返したけど、数年するとラストも漫画も忘れられそうな内容。つかラストちょっと忘れてたので読み返したんだし)。てかあの絵柄でギャグは無理。
 同じく同様の編集者が係わったとされる藤崎聖人さんの漫画『ワイルドライフ』も連載当初の数回のみいい感じで、後はダメダメ。これらの漫画、ほんとシナリオやギャグのスタイルが同じなんですが、やっぱり編集者の言う通りな展開にしてるのかなー。

投稿: やずみ | 2008/06/21 23:38

 「少年サンデー」の漫画は、『モンキーターン』以降は買ってないんですよね。通しの流し読みも、『美鳥の日々』が最後かしら。
 『焼きたて!!ジャぱん』は、やはりアニメが終わってから連載を読もうとしましたが、つまらなくて直ぐ止めました。すでに、おっしゃるようなダメダメな時期だったんでしょうね。アニメも、終盤はグダグダでしたけど。

 漫画の読量に乏しいわたしですが、しかしながら小学館の“男向け”漫画雑誌は、特につまらなくなったと感じます。休刊する「ヤングサンデー」も「週刊スピリッツ」も昔はもっともっと面白かったと思うのは、ノスタルジーによる錯覚なのかしら?(あと、「スペリオール」に目を通すぐらい)

投稿: 翡翠 | 2008/06/22 12:39

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