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『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』

 PS3と同時に購入し、初めてプレイした(パッケージの)ゲームが、表題の『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』です。SCEから2007年12月6日に発売され(開発は『クラッシュバンデクー』などのアクション物で知られる、Naughty Dog)まだ一月ちょっとのわりと新しい作品です。トレーラーや体験版から前評判も高く、実際私もどこかのサイトでムービーを見て興味を持ち、遊んだ人の感想を読んでやってみたくなりました。なんというか、一番分かりやすそうなキャッチフレーズとしてはあれかな、「ジャングル版ダイ・ハード」。どこかで誰かが書いてましたが、言い得て妙。

 主人公はどこかうさん臭い、冒険家というよりトレジャーハンター。軽口で自分の状況を嘆きつつもタフに立ち回り、何度も絶体絶命の危機にあいながら数々の謎を解いて先に進み、お宝のために銃撃戦をくぐりぬけながら結局お宝より人の命を取る正義漢(その割に海賊とかバンバン撃ってますけど)。19世紀英国の歴史的人物である海賊兼海軍提督フランシス・ドレイク(スペイン無敵艦隊を破った実在する人物)の子孫を名乗り、その先祖の見つけたお宝をめぐって、海賊や悪漢たちと渡り合ってお宝の謎に迫る、その冒険がゲームになっているわけですがこれがほんとに映画のように展開します。
 ハリウッドアクション映画のベタなお約束もたくさんありますが、何がいいかって、日本語吹き替え。これがもうハリウッドB級映画のTV用吹き替えそのもの。悪役は悪役らしく、ヒーローはヒーローらしく(ジョン・ウェインではなく、やはりジョン・マクレーンのタイプ。あれほど人を怒らせない気はするが)、相棒は軽口をたたきながらも頼りになり、ヒロインは自立志向で勝気ながら女性らしい優しさも見せる。このゲームが日本で売れているなら、その勝因の六割以上はこの吹き替えの妙にあると言ってもいいでしょう。『トロ・ステーション』では木曜洋画劇場のノリと紹介され、スーパーヴァンダミングアクションなんて言葉も出てきましたが(木曜洋画劇場でジャン・クロード・ヴァン・ダム主演映画の予告等に使われた言葉らしい)、ヴァン・ダムはちょっと似合わない主人公です。ウィリスほど下品でもありませんが。

 ゲーム自体の印象は、とにかく綺麗。細かい。キャラクターの動作が良い、展開がスムーズで途切れないってところです(実際にはあまりにアクションが矢継ぎ早過ぎるとシーン切り変わりの音声などがひっかかる場合はあり。ただ初回では慎重に動くのでほぼありませんでした)。ここらへん流石にPS2以前ではまずできないところでPS3の面目躍如といったところ。SD映像のTVでプレイしてすらその細かさとか美しさに見とれます。メイキングインタヴューで製作会社の社長も言っていましたが、ジャングルの緑や水の表現はコンシューマーでは今までに見たことないレベルです(最先端を行くPCゲームと比べると水の表面処理などはまあまあかも。自分が水に入ると波紋はちょっとしか起こらず、水しぶきは出るけどちゃち)。キャラに当たる木漏れ日や風にそよぐ植物、土と岩の陰影、水面などなど自然の情景はできればHD環境で見たいものです。
 そして歩き走り飛び転ぶ、自然なアクションをする主人公のモーション。20から30のアニメーション動作をつけたとのことで、よくある三人称ゲームのキャラのように予備動作なしでジャンプしたり方向転換したり棒のような関節という不自然な動作はかなり減ってます。飛ぶボタンの押すタイミングやジョイスティック如何で重心移動も分かるような飛び方をしたり、落ちる衝撃によって壁にしがみついたときの動作が変わったり、無いのは連続で動くとそれなりに疲れるといったアクションくらい(『サイレントヒル』のような)。、これはゲームの爽快感等がそがれるので入れなかったのでしょうね。そのかわり「ハァ」とか「ひぃ」とかちょっとヘタれる台詞が入るなど、いいリアクションします。
 武装はハンドガン、長物、手榴弾の三種類が基本で随時切り換え可能。ハンドガンや長物はそれぞれ数種類あり、敵の落としたものや置かれている物を拾って補充。武器によって総弾数は決まっていますし、長物など武装が同じだと同時に二種類は持てません。威力の強いマグナムや装弾数の多い9㎜オート、単発でも長距離を撃てるライフルや近接だと威力の強い散弾銃のどちらを持つかなどなど、後半では好みで使い分けもできます。後述するオマケ機能がつけば、装弾数の少ないマグナム銃も撃ち放題です。
 また銃を撃つ際には、狙いを定めずに移動しつつ大体正面に撃つか(フリーランニング)、止まって照準を出してじっくり狙って撃つかの違いもあります。隠れている時も、壁に張りついて隠れながら手だけ出して正面を撃つか、身を乗り出して狙いを定めて撃つか等々撃ち方も違い、どちらもプレイするにしたがって使いこなせるようになるとこれがまた楽しい。ぶら下がりながら撃つとか、柱から柱へ身を隠しながら移動しつつ狙い打つなど、サバイバルゲームの感覚ですね。

 あとこの手のゲームには普通にあるムービーも数カ所挿入されますが、切り替わりがスムーズでローディングで待たされることもなく、ゲームシステムとの切り換えはタイムラグなし。無論リアルタイムのポリゴンを使った芝居もありますがこれも通常のムービー並みで、違いはムービーの方が背景が細かかったり空気感が違うくらい。たとえば一度クリアしたあと主人公のシャツの色を変えたりできるのですが、ムービーでは通常の服なのでその都度色が変わって変ですけど、ときどき色が変わらないムービー(芝居)に入るときもあまりに自然なのでわざわざレンダリングしなくても普通のゲームなら十分楽しめると感じました。

 ゲームはアクションが基本で、多少パズル的な謎を解いて道を開きつつ、時折銃撃戦、イベントムービーでストーリーを進んでいくアクションアドベンチャーといったところ。主人公は壁のわずかな突起やくぼみに手をかけて壁をつたい飛び、柱の上を飛んでわたって、ロープやパイプを昇り降り、アイテムを使ったり火をつけたりカラクリを回したりしながら先へ進みます。この手の3Dポリゴンアドベンチャーは『アローン・イン・ザ・ダーク』が始祖と言えますが、一応大まかには海外で言えば『トゥーム・レイダー』の発展形というと分かりやすいかも。日本なら『バイオハザード』といいたいところですが、もっと似てるゲームがあります。それは『ICO』。『ICO』はPS2で出た3Dアクションアドベンチャーゲームですが、これは『バイオ』とは違い戦闘は二の次で、アクションと美しい映像、映画のような展開がキモのアクションと謎解きなどの思考重視のゲームでした。『アンチャーテッド』は戦闘も多く見た目は『トゥームレイダー』のほうが近いように感じますが、主人公のアクションや道の開き方などは『ICO』の直系かと思えるほど印象が似ています。主人公はモーションが自然で、背景は美しく、ある程度自由に動き回れるその中で正しい道を自分で見つけて進んでいく。時にはジャンプ、時には飛び下り、時にはカラクリをうまく動かして新たな道を見つける。道のヒントは目印以外に、強制的に視線を変えたりすることでその先にある何かをプレイヤーに示すなど。体力などのゲージも分かりやすく表示されているわけではない。行けるかどうかギリギリの道をアクションでこなし、カメラワークを時に変えつつ映画的な構図を見せて楽しませる等々、共通するものは非常に多いと感じました。無論ゲーム機本体の能力によるものですが、ストイックな美しさの『ICO』よりずっと細密な絵とアニメーションで、ゲームとしての映像も動きもすばらしいです。しかしそのギリギリ感や寂寥感などは下手すると『ICO』の方が鋭かったかもしれません。『ICO』の高所の壁づたいなどはホントに高所恐怖症が出るほど怖かったですが、『アンチャーテッド』ではシチュエーションのわりにはそこまで凄くはありませんでした(これは構図によるものが大きく、ようはそういう構図が少なかっただけで断崖絶壁にぶら下がるなどやってることはこちらも凄い)。『ICO』をハイレゾのPS3やPC版などでやってみたいものですが、移植というかリメイクされないかなぁ。

 さて実際のプレイでまず選ぶのが難易度。『アンチャーテッド』の難易度は基本がとりあえず初級、中級、上級(違いは主人公の体力の増減と敵のAiの賢さ)。現在、それに初級をもう一回で四回クリアしました。一回は英語(日本語字幕)でやりましたが、やはり吹き替えのほうがおもしろいです。最初から選べる難易度は先の三つで、あとはクリア後に出てくるプロモードがあります。プロモードは主人公の体力が相当減ってかなり厳しく、弱い武器でも3発も連続で当たれば、それなりの武器なら一発で死亡。銃撃戦では我慢と正確な射撃が大事になり、シビアな戦闘が楽しめます。
 ゲーム内ではいくつかの条件(道端でお宝を拾う、特殊な倒し方をする等)をクリアすることで点数がもらえ、そのレベルによってオマケ要素が増えます。最初に増えるオマケは服が変わるとか、そうたいしたものではないです。便利なのは、ゲーム内時間をスローモーションにするとか、銃を拾わずとも自由にリロードできる(得点によって使える銃器のレベルあり)などかな。

 またクリア後のオマケにはメイキングムービーやメーカー内部のインタビュームービーもあって(BDならではの大容量のおかげ)結構楽しめました。演技がまさに映画のような感じなのは、データスーツを来た俳優の演技を演出して、モーションキャプチャーしてたからでした。声もその時、演技をしながら録音してるので自然なわけです。ベニヤ板越しに演技してる俳優は大変でしたでしょうけど。
 メインテーマも出だしがいかにも映画っぽくて好きです。特に太鼓の音がまたいいんですが、これがインタビュー映像を見るとなんと和太鼓(ただし叩いてるのは外人でした)。壮大な感じがどことなくディズニーの『ターザン』ぽかったりして(あっちはまさにジャングルの曲で、もうちょい曲調に深みがありましたけど)エンディングからスタッフロールはいい感じでした。
 PS3ゲーム中、誰にでもお薦めできる良作です。記事冒頭のリンクからオフィシャルサイトへ行くとメインテーマも流れるしトレーラー他プレイ中のムービーも見られますので是非どうぞ。

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