« 2004年5月 | トップページ | 2004年9月 »

いいも悪いもリモコンしだい。

 前回から二カ月ちょい、いろいろとありましたが、無事に「鉄人28号」を入手しました。
 そらもう、期待以上の出来。妙に広い町並み──時代が時代なだけに、案外低い建物が多く、路面電車も通る道路も、広く感じる──が感動的です。鉄人たち、ロボットも昨今の巨大ロボとは違って案外小さく、町並みににあってます。そのためサンドロットのこれまでの作品と違い、道路通るのが案外苦になりません。これまでの作品ではビルを壊さずに通るのは至難の技だったからなぁ……。

 それはそうと、「鉄人」はこれまでの作品とは操作がかなり変わっており、ゲーム性もそれによって若干変わっています。「リモートコントロールダンディ」と「ギガンティックドライブ」の共通項としては、わりとアナログなリモコン操作で手足を自由自在に動かす、つまりまさに一心同体の操作感がウリの一つでした。一挙手一投足、四肢の動きをほぼ全てのボタン操作で再現したまさにマリオネット状態のリモコンロボ。これは始めて動かすときはボタンも多くさじ加減も難しいためとっつきにくいものの、慣れるに従って操作の限界までの一連の動きがどんどんスムーズになり、まさに自分の手足のごとく動かせるようになる上達感も味わえる素晴らしいものでした。

 初代PS用「リモダン」では足がR1・2とL1・2で前後に出せて交互に操作することにより前後左右、方向転換まで自由自在。しゃがんだあとの動作によってジャンプも可能。腕は単純にボタンでパンチながら、上半身のひねりと前後のうつむきあおむけ加減によってストレートもアッパーもフックも自在という、ボクシングのお手本のような動作。実に理に適った動きです。
 続くPS2用「ギガドラ」では──じつはその前にもう一つ「鉄甲機ミカヅキ」の特別ゲームもあるのですがこれは未見──足や上半身の動作は同じものの、パンチは左右のアナログスティックに変更され、上半身の振りに歓迎なく腕だけでよりアナログ的にパンチの種類──ストレートやフックや裏拳を出せるようになりました。もっともこの変更では腕の扱いが難しくなった上に、十字ボタンから指を放すためどうしても上半身の向きや上下の角度の調整が同時にできなくなってしまうという弱点もできましたが。一長一短ですね。

 で、「鉄人」ですが、こちらでは移動は十字ボタンだけに変更され、R1やL1ボタンなどはロケットオンオフや自動帰還ボタンになりました。パンチもボタン一つ。□と○ボタンに左右それぞれが割り当てられました。これにより、正直ロボとの一体感は激減したものの、より爽快なアクションに偏重した操作感となりました。ボタンを押しっぱなしにすることによりパワーを溜めることができ、放すタイミングでパンチの種類を変えられます。つまり、ボタンを押す長さ、押し方によってわりと簡単に連続コンボが決められるわけです。前作までの過剰な一体感によるアナログ的コンボと違い、これにより一般的な目押しアクションの爽快感に近づいたといえます。
 それを助けるため、移動は簡単な十字ボタンになったわけですが、さらにステップ操作により歩く以上の速度で左右に攻撃を避けることもできます。しかも敵がパンチ射程内にいる際には相手を軸にしてステップを踏むため、自動的に相手の側面に回り込むことができるというお助け操作(もっとも多数の敵の前でやると敵の只中に飛び込むこともあって袋叩きになったりしますが)。
 また、射程はボディ前面より光の筋状に表示されるターゲットラインによってわかりやすくなっています。射程内になればラインが赤から黄色に変わるため、射程距離もわかりやすいです。前作までは視角の角度が悪いと相手との位置関係がわからないため、目視の感覚か相手にぶつかった火花やアクションで見てましたが、このためある程度見にくい視点での操作でも当たるか当たらないかがわかります。

 こうした親切このうえない変更は、正直前作までのファンにとってはものたりない面もあります。どうしても前作ほどの一体感がロボの操作に持てないためです。これは操作変更のデメリットでもありますが、逆に言えば新規ユーザー、特にその中でも鉄人ファンにとってはかなりのメリットといえます。
 キャラゲーとして見ると、操作が難しいために一体感を得るまでの長いステージが必要となるのはやはりマイナス。前作まではオリジナルのためにチュートリアルといえるユルいステージが続いてもそうそう気にはなりませんが──これはこれで話が続いて段々と技を覚えていくという習得の楽しみが得られますし──原作付のキャラゲーの場合、話にないようなお気楽事件をそう続けるわけにも行きません。今作アニメもほぼ同時に放映していてその主人公になりきるゲームなのに、主人公のような操作をするまで特訓しろというわけにもいきませんからね。あくまでキャラゲーの王道を守るためにも必要な操作の変更だと納得しました。なにより、原作の鉄人の操縦自体、どうもかなりオートマチックな面があってしかるべきリモコンだったりするので、じつは前作までと同様にリモコンと同一視するためにこういう操作に変更したのではとも思えてしまいます。

 ただ、コンボ決め、簡単操作が売りのはずなのに、そこをあまり踏まえてないと思える不満もあります。それは左右パンチを□と○に振った事と、ボタンのコンフィグがないこと。ボタン押しっぱなしでパワーを溜める操作なのに、□と○、必殺技の△ボタンは普通親指一つでしか押せないということを軽く考えてたのではという疑問。左右パンチを有効にコンボに入れるためにはどうしても左右同時に押している必要があります。なのに親指ひとつで二つ以上のボタンを自在に押し分けるのは不可能。片方で強力パンチやチョップを出すのに片方ではおざなりな弱パンチしか打てないか、両方ともほぼ同時に強力パンチしか打てなくなります。これでは自由自在なコンボなど不可能です。同時押しのためには一つの指に一つのボタンが必須。ここでオンオフにしか使わないロケットボタンを人指し指の先のR1に使うくらいなら、何故R1に右パンチ、L1に左パンチという風に振り分けなかったのかと。ロケットやら自動帰還など、たまに押すものこそ□や○で十分だったのではないか。バグも見当たらないところからまっとうな動作テストは十分しているはずなのに、こういった不快な動作感を伝えたテスターはいなかったのかと。これがほぼ唯一にして、最大の不満ですね。せめてボタン割り振りのコンフィグさえあれば、パンチボタンを入れ換えられたのに。あとは前作までと違い、ビルの上に登ることがかなり面倒になったことかな。おかげで視界確保が難しくなったし、街を見る視界自体が減ったのは残念。

 そんなわけで多少の不満はあれど、「鉄人28号」はキャラゲーの王道に沿ったベスト・オブ・キャラゲーといえるほどの完成度でしょう。個性的で魅力的な敵ロボも操作できるチャレンジモードなどは前作以上の楽しさといえますし、聞き慣れた音楽や操作の合間に入る正太郎の掛け声などは雰囲気を盛り上げるのに実に効果的。鉄人が嫌いというのでなく、ロボアクションが好きならば、絶対やらないと損ですよ。
 ちなみに現在「鉄人28号」のオフィシャルサイトに、漫画「鉄人28号 皇帝の紋章」をマガジンZで連載中の長谷川裕一氏によるレポート漫画が張られています。もとはマガジンZ用に描かれて掲載されたもの。プレイしたものならうんうんと頷ける、なかなか楽しいレポート漫画なのでぜひご覧くださいませ。

 個人的には、操作感やロボのデザイン、シナリオの子供っぽさ含めて、ベストはやはり初代「リモートコントロールダンディ」としておきます。今となってはCGなどどうしても劣るものの、あれは名作です。重量感や覚えやすくも単純でわかりやすいロボの独特なデザイン等も素晴らしい。シナリオは特に実写版「ジャイアントロボ」などが好きな人間には、もうたまらんものがありますし。
 「ギガドラ」は実は最近やっと入手し一回クリアしました。シナリオに関しては大筋では新しいものの、小さなエピソードが「リモダン」と似てるのがちょっとなんでしたが。「リモダン」の焼き直し、リメイクといってもよく、ちょっと新鮮味は薄いかも。ラストのオチはやはり「リモダン」のほうが明るくて夢があってよかったかなー。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2004年5月 | トップページ | 2004年9月 »